「One World, Connecting Smiles.」というビジョンを胸に、1人1人の笑顔を作り出し、幸せの輪を広げていくことによって「みんななかよく」という企業理念の達成を目指している、株式会社サンリオ。近年は、既存ファンとは異なる、新しいファン層へのアプローチにも注力しています。この度、新規キャラクターの育成・展開を担当する、ブランド管理本部 IP創造部にて、インタラクティブ動画MILを導入いただきました。
今回はサンリオ様インタビューインタビュー第二弾として「がおぱわるぅ」のアンケートコンテンツ事例をご紹介!ブランド管理本部 IP創造部 キャラクターIPプロデュース課 シニアマネージャー 神崎 沙耶香 様にお話を伺いました。
- 課 題
-
- ファン層の傾向や属性、お客様に期待いただいているポイント(定性情報)を把握したい
- 施策内容
-
- POP-UP STOREの店頭にて、インタラクティブ動画によるコンテンツ型アンケートをご案内。
- お客様のスマートフォンにて回答いただき、定性情報を取得。
- POP-UP STOREの店頭にて、インタラクティブ動画によるコンテンツ型アンケートをご案内。
- 効 果
-
- イベント来場者の約60%の回答率を達成し、「回答数の最大化」と「体験コンテンツを通じたお客様とのコミュニケーション」を実現(過去に同様のイベントで行った紙のアンケートは10%程度)
- 2,000件以上の定性コメントを獲得
- ファン層の傾向や属性情報、お客様からの声をキャラクターのプロデュース戦略に活用
- イベント来場者の約60%の回答率を達成し、「回答数の最大化」と「体験コンテンツを通じたお客様とのコミュニケーション」を実現(過去に同様のイベントで行った紙のアンケートは10%程度)
- 株式会社サンリオ
- 事業内容:物販ビジネス・ライセンスビジネス・テーマパークビジネス他
- コーポレートサイト:https://corporate.sanrio.co.jp/
- キャラクターページ:https://www.sanrio.co.jp/characters/petapetaminilian/
新規キャラクターの次なる展開・成長のために。楽しみながら回答できる「体験型のアンケート」を採用して、ファン層の理解を深めたい。
──チームの役割と、チーム内におけるご自身の役割・ミッションを教えてください。
ブランド管理本部 IP創造部に所属し「がおぱわるぅ」のプロデューサーを担当しています。がおぱわるぅは、弊社とCHOCOLATE Inc.で共同開発を行い、2022年にデビューしたキャラクターです。まだまだ伸びしろがあるキャラクターですので、ピンポイントにターゲットを絞りこまずに、まずは「ファンの土台」を作る段階から取り組んでいます。まずはキャラクターについて多くの方々に知っていただく機会を作り、好きになっていただいたファンの皆さんの事を私たちも理解しながら、キャラクターの魅力をファンの方々と共に育てていき、キャラクターの成長過程を通じて、最終的にコアファンになっていただくようなIP育成ロードマップを作ることが私の任務です。

──MIL導入前の課題について教えていただけますか?
「がおぱわるぅ」は、SNS発の新キャラクターとして2022年にデビューしました。従来のアプローチとは違い、X(旧Twitter)でキャラクターを発表し、SNS上の反響などを踏まえてキャラクターのブラッシュアップを行い、育てていく実験的な試みです。デビュー以来、Xを中心とするSNSでキャラクターのイラストや漫画、動画コンテンツを投稿し「がおぱわるぅ」の世界観を発信し続け、SNSコンテンツでの接点をきっかけにキャラクターの認知・好意を広げてきました。
もっと多くの方々に「がおぱわるぅ」を知っていただき、ファンを増やしていくためには、「がおぱわるぅ」が好きと仰ってくださっているファンの皆さまが、どのようなところを魅力に感じてくださっているのか?どのような性格・趣味を持っている傾向がある人たちが多いのか?年代は?など、ファンの思考・特徴を明確に捉えることが重要だと感じていました。まずは「ファンの土台」を作っていくという段階でもありましたので、ファン層に対する明確な把握・理解を行うことは、キャラクターのプロデュースにおいて非常に大事なところだと感じていました。
しかし当時は、直接ファンの皆さまとの接点・コミュニケーションを持つ機会がなく、SNS上のコメントや反応など、定量的な情報から得られるものから推定するのみで、ファン層の把握に課題を感じるように……。ファンマーケティングを推進し、ファンダムを拡大させていくためにも、定量データだけでなく、生の情報や定性データと掛け合わせながら、ファン層をしっかり理解し「次なる展開・成長のためのヒント」を得たいと考えていました。
──今回、アンケート手法として「インタラクティブ動画」を採用いただいた理由は何でしょうか?
一度どこかでしっかりアンケート調査をしたいと考えていた中で「がおぱわるぅ」初のPOP-UP STOREの開催が決まり、初めてリアルな場所でファンの皆さまと接触が持てる機会が到来しました。ファンの方と接することができる貴重な機会ですので、多くのお客様が楽しみながら回答いただけるような形式にしたいと考え、従来型の「紙のアンケート」ではなく、インタラクティブ動画を採用しました。
「がおぱわるぅ」は、動画や音など動的コンテンツの制作にも力を入れているため、ただのアンケート調査ではなく、ファンの皆さまが楽しみながら回答できる「体験型のアンケート」にしたいと考えており、MILさんのインタラクティブ動画形式であれば、音やアニメーションなど体験的な要素も含めたコンテンツに仕上げられるため非常にマッチしていると感じました。
また、SNS起点でキャラクターを知り好きになった方が多いので、SNSやスマートフォンと距離が近い方々が多いはずと推測し、自身のスマートフォンで回答できる体験的なアンケートであれば、ファンの方にも負担を感じずに答えていただけるのではと考えました。

POP-UP STOREにて「アンケート体験」を実施し、回答率は約60%に。「回答数の最大化」と「体験コンテンツを通じたコミュニケーション」を同時に実現!
──今回の「がおぱわるぅアンケート」について、インタラクティブ動画の施策内容と成果を教えてください。
「がおぱわるぅ」のPOP-UP STOREに来訪いただいたファンの皆さまへのアンケート調査を目的とした、インタラクティブ動画です。
計16問で構成しており、性別・年代・居住地・職業といった「基本属性」から始まり、趣味・よく行く場所の傾向といった「個人の趣味嗜好」の設問へ。その後、キャラクターの認知度合い・認知経路・好意度・好きなポイント・SNSアカウントの認知・フォロー有無といった「がおぱわるぅへの興味関心度」を確認し、最後にグッズへのリクエスト・今後やってほしいことのリクエストなどの「フリーコメント(任意)」を入力いただく流れです。

──どんな場所・タイミングでアンケートにご回答いただいたのですか?
整理券でショップへの入場時間を指定していたため、待ち時間に回答いただいている方が多く見受けられました。回答は3~4分くらいで完了していたと思います。アンケートの回答率を高めるために、回答特典としてステッカーを用意しました。

またショップの他、サンリオのオウンドメディア(公式ニュースページ)からの発信やXシェア投稿などオンライン上からの流入導線を作ることも併せて実施しました。
──クリエイティブ面で、工夫された点はありますか?
アンケート体験をファンの皆様に楽しんでいただけるよう「がおぱわるぅの世界観」とのリンクを意識しました。設問とリンクしているイラストを入れているのですが、最近のイラストだけでなく少し懐かしさを感じられるようなイラストを入れるなど、設問と絵の組み合わせを工夫しながら制作を進めました。
またMILの皆さんが「がおぱわるぅ」の世界観を細部に渡って理解・把握いただいた上で、コンテンツ・デザインアイデアのご提案をくださり、進行管理・制作を全般的にサポートいただけたことが非常にありがたかったです。例えば好意を確かめる設問は「ハートの大きさで選択してもらうのはどうですか?」「設問のアイコンは小さくしたほうが、がおぱわるぅらしい世界観になって、より可愛くなりそうです」などと、弊社だけでは思いつかないインタラクティブ動画ならではのデザインアイディアなどご提案いただきながら、随所に工夫を施していただきました。操作面でも楽しく触りながら回答できるようなアンケート体験を一緒に創造してくださり、おかげでファンの皆様に楽しんでいただけるアンケートコンテンツに仕上げることができました。

──アンケート回答率はいかがでしたか?
一般的にイベント来訪者に対して行う「紙のアンケート」の平均回答率が多くても約10%程度(もしくは10%未満)などと言われているのに対し、今回、なんと60%程度の方にご回答いただくことができました。回答率の目標は20-30%程度(通常の倍以上)で想定していたのですが、その倍以上を達成することができました。さらに具体的に記入いただく定性調査項目には、2,000件以上のコメントをご入力いただき、私たちの期待していた「回答数の最大化」と「体験コンテンツを通じたお客様とのコミュニケーション」を同時に実現することができました。
紙の場合は、ペンを持って文字を書くこと自体に時間がかかりますので、設問数が多くあると、それだけで回答のハードルも高く捉えられがちです。そのため、回答する側に何かしらのメリットがないと、回答を促進しにくいのかもしれません。インタラクティブ動画の場合は、タップをするだけで、どんどん次の設問に進むことができ、設問ごとにイラストが変わりながら楽しく回答できるので、ハードルが低いのだと実感しました。

アンケートの定性コメントや視聴データから得た情報がファンマーケティングの土台に。チームメンバーのモチベーションもアップ。
──アンケートの定性コメントやMILの視聴データから、新しい気づきはありましたか?
ファンマーケティングを考える上の課題だった「現状のファン層の全体感把握」について、非常に参考になる情報を収集することができました。例えば「主なファン層は20〜30代で、男女問わず」などと明確に捉えられるようになりました。それまでも感覚的に「男性も多そう」「10代のファンは少なそう」などとは思っていたのですが、アンケートを通して数字で確かめられたのは大きかったかなと思います。社内に共有する際も感覚的な所感で伝えることと、調査を行ってデータで伝えることとでは説得力が違いますので、今回の調査を通してより確信を持って話すことできるようになりました。
またフリーコメントを通じて、大変多くのご意見や具体的なご要望をいただき、今後の展開を検討する上で非常に参考にさせていただいています。熱い応援コメントも多数いただき、「がおぱわるぅ」を好きでいてくださっている方々がこんなに沢山いるんだという気づきにもなりましたし、チームのモチベーション向上につながった点も良かったなと感じています。
お客様とのコミュニケーションを通しての情報収集や意見ヒアリングができる点はインタラクティブ動画ならではで、紙のアンケートやSNS上の表面的なデータ・情報との大きな違いだと感じています。
──それでは最後に、今後のMILの活用計画や、今後のMILに期待することを教えてください。
体験型コンテンツを通じて、お客様とコミュニケーションが取れる点がMIL活用の大きなメリットだと感じています。今回のようなアンケート調査はもちろんのこと「お客様とのコミュニケーションを“体験”にすることで、機能的なものをコンテンツ化したい」という用途で幅広く活用できると思いますので、今後も、シーン・目的別でのご提案や機能追加をしていただけると嬉しいですね。
──本日はありがとうございました!こちらこそ、今後とも宜しくお願いいたします。


担当者コメント:桑田 将臣
MIL株式会社
フィールドセールス
営業として、システム導入提案を担当いたしました。今回はIP創造部の皆さまが担当されているキャラクターの認知拡大、ファン獲得を目的にMILを活用した、SNSマーケティングをご提案させていただきました。サンリオ様は各ご担当者様の熱量が非常に高く、さらにMILの特徴を深くご理解いただけているため、最良のコンテンツを一緒に生み出せる状態となっており、Xでのトレンド獲得など成果につながっているのだと思います。今後はコンテンツ接触から取得した「データ」を活かし、新しいファンマーケティングへと共に取り組んでいきたいです。

担当者コメント:牧内
MIL株式会社
カスタマーサクセス
企画の立ち上げから担当し、インタラクティブ動画の視聴動態や成果のレポーティングを行っております。サンリオ様と今まで作り上げた動画は10本を超え、ゲーム・アンケート・診断・クイズなど用途も様々ございます。今後もサンリオ様と共に、ファンの方だけでなく、新しくキャラクターを知った方にも楽しんでいただけるようなコンテンツづくりに取り組んでいきたいです。プロデューサー・デザイナーの皆さま、いつもありがとうございます。

担当者コメント:廣瀬
MIL株式会社
クリエイティブ
「がおぱわるぅ」のアンケート動画のデザインを担当しました。SNSをチェックして「がおぱわるぅらしさ」を理解し、キャラクターの世界観に沿ってがおぱわるぅの「可愛さ・楽しさ」を際立たせるデザインを目指しました。「アイコン」や「言葉づかい」などのディティールにも、可能な限り「がおぱわるぅらしさ」を詰め込んでいます。
「がおぱわるぅ」のことを知れば知るほど、可愛くて大好きになり…今では社内で一番の「がおぱわるぅファン」と言われています(笑)。多くの人の手でキャラクターを「大切に育てている」サンリオ様の情熱・姿勢をリスペクトしています。今後もサンリオ様のキャラクター育成を、デザインを通じて応援していきたいです。









