「One World, Connecting Smiles.」というビジョンを胸に、1人1人の笑顔を作り出し、幸せの輪を広げていくことによって「みんななかよく」という企業理念の達成を目指している、株式会社サンリオ。近年は、既存ファンとは異なる、新しいファン層へのアプローチにも注力しています。この度、新規キャラクターの育成・展開を担当する、ブランド管理本部 IP創造部にて、インタラクティブ動画MILを導入いただきました。
サンリオ様インタビューを、2回に分けてお届けいたします。今回はインタビュー第一弾として「ぺたぺたみにりあん」の体験コンテンツ事例をご紹介!株式会社サンリオ ブランド管理本部 IP創造部 キャラクターIPプロデュース課 アソシエイトプロデューサー 野坂 優一郎 様にお話を伺いました。
- 課 題
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- 新規ファン創出のため、ソーシャルネイティブ層に向けたアプローチを最適化したい
- 施策による「成果」と「ファン層の変化有無」を可視化したい
- 新規ファン創出のため、ソーシャルネイティブ層に向けたアプローチを最適化したい
- 施策内容
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- インタラクティブ動画で、キャラクターの世界観を体験・訴求するコンテンツをXへ投稿。
(第一弾:シールガチャ、第二弾:シールさがし)
- インタラクティブ動画で、キャラクターの世界観を体験・訴求するコンテンツをXへ投稿。
- 効 果
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- 体験コンテンツにより「ファンの熱量」を高め、データとして把握することに成功。
- 総タップ数が7万回以上、1視聴あたりのタップ数は平均17回、平均視聴時間は2分半に。
- 投稿当時の時点で、20,000回再生、シェア率34%という高い数値を達成。
- 株式会社サンリオ
- 事業内容:物販ビジネス・ライセンスビジネス・テーマパークビジネス他
- コーポレートサイト:https://corporate.sanrio.co.jp/
- キャラクターページ:https://www.sanrio.co.jp/characters/petapetaminilian/
既存ファンとは異なる、新しいファン層へのアプローチを検討。
──チームの役割と、チーム内におけるご自身の役割・ミッションを教えてください。
私が所属しているブランド管理本部 IP創造部は「既存のファンとは異なる、新しいファン層へのアプローチ」を目標とした部署です。複数名のチーム体制で運営しており、私はアソシエイトプロデューサーとして、新規キャラクターの育成・展開を担当しています。新キャラクターを立ち上げ、各種プロモーションの企画・運用によりキャラクターの認知拡大をはかることが私の主なミッションで、メインで担当しているキャラクターは「ぺたぺたみにりあん」です。
<補足>「ぺたぺたみにありん」とは?
広い広い宇宙から地球への侵略を目論む宇宙人たちのこと。その目的はシール集め。
地球侵略を甘く見た宇宙人たちは、想像より大きい地球人を目の当たりにし、地球の恐ろしさを知ることになる…。
果たして宇宙人は団結し、地球を侵略、シールを宇宙に持って帰ることはできるのか…。
SNS上の「シールガチャ体験」でソーシャルネイティブ層への認知に成功!タップデータからコアファンやライト層の動きやインサイトを見える化!
──「ぺたぺたみにりあん」では2本の動画を活用いただいていますが、まずは第1弾の「シールガチャ」について、インタラクティブ動画の活用目的と施策内容について教えてください。
「ぺたぺたみにりあん」は、主にX(旧Twitter)を中心とした「ソーシャルネイティブ層」の20~30代の男女をメインターゲットに据えたファン創出とプロモーション展開を行っています。しかし、ソーシャルネイティブ層にアプローチするにあたり、従来の施策では、リアル店舗接点での配布物・ノベルティなど「SNS以外」からのお客様への訴求やアプローチが多く、ソーシャルネイティブ層へ直接的にリーチしにくい・訴求難易度が高いなどの課題が生まれていました。
そこで展開した施策が、インタラクティブ動画を使った「シールガチャ」のコンテンツです。ソーシャルネイティブ層へのキャラクターの認知向上・新規ファンの創出を目的として、「シールガチャ」のコンテンツをXに投稿。体験を通じて「シールが好き」というキャラクターの特徴を伝え「ソーシャルネイティブ層(かつ、キャラクター好き層)」へとアプローチしました。結果として、投稿当時の時点で、20,000回再生、シェア率34%という数値となり、目に見えた外部へのリーチを獲得することができました。またXの新規フォロワー獲得にもつながりましたので、認知策として非常に良い成果が出たと評価しています。
──成果を出すために、どのような点を工夫されましたか?
"引っ掛かり”から「ぺたぺたみにりあん」を認知をしてもらい、好意を醸成するきっかけになれば…という狙いから、従来のサンリオキャラクターはあまり発さないような新しいワードを散りばめました。
シェア画面の言葉やシールデザインも、あえてサンリオキャラクターの世界観っぽくないクリエイティブに仕上げ、「こんなサンリオキャラクターがいるんだ!」と印象づけるよう工夫しました。また、シールの中に他のサンリオキャラクターを登場させたり、「レア度」を表記するなどして、リピート視聴を促進する工夫も施しています。
──視聴データから、新しい発見はありましたか?
一方的な動画とは異なり「ユーザーの意思で体験する動画」ですので、視聴データから「どこに興味があるのか?」「どこを何回体験したか?」などの詳細まで把握できる点が非常に新鮮でした。「再生回数300回」の数値だけでは、一人が300回なのか複数人で300回かがわかりませんが、MILさんのインタラクティブ動画であれば「この人が、一人で、この日のこの時間に300回再生したんだ!」などと詳細まで把握できます。コアファンやライト層の具体的な動き・インサイトが見える化され、顕著に理解できるようになったという点が、新しい発見ですね。
「シールさがし体験」を通じてキャラクターの世界観や魅力を訴求!1視聴あたりのタップ数は平均17回、平均視聴時間は2分半に!
──続いて「ぺたぺたみにりあん」の第2弾「シールさがし」について、インタラクティブ動画の活用目的と施策内容について教えてください。
第2弾は「シールさがし」のインタラクティブ動画です。キャラクターへの好意度アップを目的として「シールさがし~いつもの公園編〜」を制作しました。
施策の背景としては、例えばキャラクターの認知向上のためにSNS広告を配信するなどの手法を通して、「ぺたぺたみにりあん」の設定やキャラクタービジュアルを訴求することはできていたものの、世界観や個性的なキャラクター性など魅力を深く訴求することまではなかなか行き届かず、ファンからの好意度醸成に課題を抱えていました。当時はデビューして間もない新しいキャラクターだったため、Xにキャラクターの魅力を発信するコンテンツが溜められていない・世界観が蓄積されていないことも要因の1つとして考えていました。
そこで「シールさがし」のインタラクティブ動画体験の企画を行いました。キャラクターの個性や世界観を知っていただくことで好意上昇に繋げられればという思いと、新しくキャラクターを認知した方にも早期に魅力に気付くきっかけになるのではないかと期待して、コンテンツを展開しました。
キャラクターをより深く知っていただき、愛着を高めてもらうことをベースにした体験ストーリーを企画。シールを探しながらトラブルに巻き込まれていくストーリーを通じて、「ぱお」の間ぬけながらも愛らしいキャラクター性を伝えています。
「シールさがし体験」を通じてキャラクターの世界観や魅力を訴求!1視聴あたりのタップ数は平均17回、平均視聴時間は2分半に!
──結果はいかがでしたか?
初日の再生数が非常に高く、総タップ数は7万回以上となりました。1視聴あたりのタップ数は平均17回、平均視聴時間は2分半となり、中には一人で20回視聴している方も!シールさがし体験に没頭いただくことで「コアファンの熱量」を高め、データとして把握することができました。
過去に他チームで、コアファン向けのインタラクティブ動画を展開していたので、コアファンの反応が良い・エンゲージメントが高まることは分かっていたのですが、今回、ライトファン向けにチャレンジしてみて、これだけの成果が得られたというのは、非常に良い検証になりました。今後、他のキャラクター施策にも応用できると、大きな手ごたえを感じています。
当施策を通じて、ユーザー属性ごとのデザイン嗜好・拡散動機を改めて把握することができたと感じています。既存のアンケートや調査の場合、お客様が構えてしまう部分がありますが、インタラクティブ動画は体験型コンテンツなので、お客様に緊張感を与えず行動からインサイトを可視化・把握できる点が非常にユニークですね。現在は、ライトファンをさらにコアファン化していくことも課題の1つと考えていますので、MILで得られた「ライトファンには、天然で間ぬけ感のあるキャラクター性がフックになる」という気づきをチームで共有し、Xの通常投稿にも活かしています。
キャラクターの世界観の深い理解に基づく「イメージ通りのクリエイティブ」と明確な役割分担による「スムーズな進行」に満足。
──動画2本を通じて、企画・制作~公開後に至るまでの、MILのサポート体制はいかがでしたか?
シールガチャは制作工数が多くなると予想しており、弊社のデザイナー負担が懸念でしたが、弊社が作ったデザインソースをベースにMILさんでカットを量産していただくなど、明確な役割分担を事前に定めていただき、負担を最小限に抑えることができました。「ぺたぺたみにりあん」のキャラクターを深く理解した上で、世界観に合わせてデザイン・制作してくださったので、イメージ通りに作り上げることができました。
今回は動画ということで、音にもこだわりました。「ぺたぺたみにりあんの‟間ぬけ感”を、音で表現したい」という難しいリクエストをさせていただき、「勇者みたいな感じ」「おとぼけな感じ」「シャラシャラ」などと弊社がざっくりと表現した言葉に対して、MILさんが実際の音として何案も提案してくださいました。
また、こちらから依頼した内容だけでなく「こういう企画はどうでしょうか?」などと、案出しもしてくださったりと、感謝しています。細かいご連絡と複数回に渡るお打ち合わせを通じて、進行も都度サポートいただきましたので、不安なくスムーズに進めることができました。感謝しています。
──それでは最後に、今後のMILの活用計画や、今後のMILに期待することを教えてください。
引き続き、ライトファンの方々により深くキャラクターを知ってもらうきっかけとして、インタラクティブ動画を活用したいですね。また、アンケートなどの情報収集目的にも活用していきたいです。具体的には、キャラクターに合わせたアンケートやデザイン投票、楽曲投票などに活用できればと考えています。今回の成功パターンは、他のキャラクター施策でも参考にできればと思いますので、色々な方向の変化球を試していきたいですね。
──本日はありがとうございました!こちらこそ、今後とも宜しくお願いいたします。

担当者コメント:桑田 将臣
MIL株式会社
フィールドセールス
営業として、システム導入提案を担当いたしました。今回はIP創造部の皆さまが担当されているキャラクターの認知拡大、ファン獲得を目的にMILを活用した、SNSマーケティングをご提案させていただきました。サンリオ様は各ご担当者様の熱量が非常に高く、さらにMILの特徴を深くご理解いただけているため、最良のコンテンツを一緒に生み出せる状態となっており、Xでのトレンド獲得など成果につながっているのだと思います。今後はコンテンツ接触から取得した「データ」を活かし、新しいファンマーケティングへと共に取り組んでいきたいです。

担当者コメント:藤井 野乃子
MIL株式会社
カスタマーサクセス
サンリオ様とのお取り組みでは、各企画の振り返りや定例MTGでの事例紹介を通じて、新規企画立ち上げを担当しています。各キャラクターのポップさ×「タップすると何かが起こる」というMILならではのギミックにより、どの動画も唯一無二のかわいらしさが詰まっていて、私自身も非常にお気に入りの動画となっています。また、表現だけではなく、各指標における視聴動態の高さからも、ファンの方に喜んでいただけていることが分かるので、いつも嬉しく思っています。今後は、イベントや記念日など各キャラクターの大切な行事を、ファンのみなさんを巻き込みながら盛り上げる企画をご一緒できますと幸いです。

担当者コメント:飯島 豊
MIL株式会社
クリエイティブ
「ぺたぺたみにりあんのシールガチャ」のディレクションとアニメーションを担当しました。お打合せを重ねる中で、「ぺたぺたみにりあん」の世界観を丁寧に共有してくださったので「ぱお」の愛らしさを深く理解し、表現することができました。
今回、シールガチャのコンテンツを作るにあたっては「シールのペタペタした感じ」を表現するのに気を使いました。またガチャガチャの感覚をMIL上でリアルに再現するために、近所でガチャガチャを体験。「ハンドルを回す」という一連の動作の中で、何が出るのか?と緊張を高める「間」が重要だと実感できました。そしてMIL上では緊張感の高まりを再現するために、「ハンドルを回す」かわりに、白光がでるエフェクトに少し時間を足す工夫を施しています。これらの演出が、何度もトライしたくなる「面白さ」とレアが出たときの「感動」を高め、キャラクターへの好意醸成に貢献できていれば嬉しいです。