「給湯機器」のリーディングカンパニーとして、温水空調や厨房分野の商品を提供しているノーリツ様。CX推進グループでは、エンドユーザーのエンゲージメントを高め、ノーリツとつながり続けていただくために各種アプリを展開し、活用を推進しています。ノーリツの給湯機器操作アプリのダウンロード促進および認知拡大のため、インタラクティブ動画マーケティングMILを導入いただきました。
今回は、株式会社ノーリツ 国内事業統括本部 デジタルイノベーション推進部 CX推進グループ リーダー N様(写真右)とO様(写真左)にお話を伺いました。
- 課 題
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- 「わかすアプリ」のマンスリーアクティブユーザ ー増加のための、ダウンロード促進と認知拡大。
- 施策内容
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- 体験動画でアプリの機能と楽しさを訴求。
- 診断動画で対象機種を所有しているか確認し、ダウンロードページや詳細ページへ遷移。
- サイトやメルマガの他、SNSキャンペーンでも活用。
- 効 果
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- アプリのダウンロード促進。
- アプリの認知拡大。
- アプリのダウンロード促進。
- 社名:株式会社ノーリツ
- 事業内容:給湯機器、温水暖房機器、厨房機器を中心とする、住宅設備機器メーカー
- 企業HP:https://www.noritz.co.jp/
ダウンロード前にアプリの便利さや楽しさを伝え、安心してダウンロードしていただける方法を模索。
──貴社の事業内容について教えてください。
N様:
「新しい幸せを、わかすこと。」をミッションに、人々の暮しに3つのシーンで貢献しています。具体的には、給湯機器、温水暖房機器、ガスファンヒーターなどを製造する「温水空調分野」、ガスビルトインコンロ、レンジフードなどを製造する「厨房分野」、エンドユーザー様に長く大切に使っていただくための「アフターサービス・施工」の3分野に分かれています。
──チームの役割とミッション・KPIを教えてください。
N様:
私たちの所属するCX推進グループのミッションは、顧客体験価値をプロデュースすること(主にデジタル上)。Webコンテンツや製品と連動可能なアプリの提供などを通じて、エンドユーザーとコミュニケーションを図り、ノーリツから「直接情報をお届けできるお客さま」を増やすことで、次回の購買行動まで関係をつなげる役割を果たしています。
出典:株式会社ノーリツ「おふろのじかん」
チームのKPIは3点あります。1点目は、ノーリツの給湯機器操作アプリ「わかすアプリ」のMAU。2点目は、ビルトインコンロ・レンジフード用のレシピのアプリ「つなぐレシピ」のMAUです。この2つを主要KPIとして掲げ、3点目としてお客さまとつながり続けるための「メールマガジンの登録者数」を設定しています。
メールマガジンやコンテンツで定期的にお客さまとコミュニケーションを図りつつ、アプリのマンスリーアクティブユーザー数(以下、MAU)を増やし、アプリの行動データを収集して、次の製品開発やコミュニケ―ション施策に活かす……というのが私たちの理想とするサイクルですね。
──導入以前に抱えていた課題を教えてください。
O様:
1つ目のKPIとして掲げている「わかすアプリ」のMAU増加のために、色々な取り組みを行う中で、主に2つの課題がありました。
出典:株式会社ノーリツ「ノーリツのわかすアプリでできること」
1点目の課題は、認知拡大です。「わかすアプリ」は、ご自宅や外出先からおふろのお湯はりや床暖房の操作ができたり、離れて暮す家族を見まもったりと、給湯機器の使い方が広がる便利なアプリです。基本的にはノーリツの給湯機器をお持ちの方が対象となりますが、MAU増加のためには、対象機器を所持していない方も含め、広く認知を高める必要がありました。
2点目の課題は、ダウンロード促進です。対象となるノーリツの給湯機器を持っているものの、アプリをインストールしていないユーザーへのダウンロード促進として、カタログやWEBページでアプリの内容を紹介していましたが、期待する効果は得られず……。「わかすアプリ」は対象製品とのペアリングが必須となるのですが、ペアリング前のユーザーはアプリの内容を知ることができないため、アプリの便利さや楽しさが伝わらないことが原因なのではないかと考えるようになりました。
ダウンロード前でもアプリを理解し、安心してダウンロードしていただける方法がないか模索していました。
動画の視聴データから「ユーザーのインサイトを計測できる点」が導入の決め手に!
──最初に「インタラクティブ動画」を知ったときの印象は?
O様:
タップ・クリックなど触りながら進められる動画というのは、とても新鮮でした。今の時代、動画を見ていても、興味のない部分は倍速にしたり飛ばしたり、途中で離脱されたりと、最後まで見てもらえないという課題は認識していましたので、そうした従来の動画の課題を解決できるインタラクティブ動画は、情報をきちんと伝えられそうで良いなと思いました。
──MILを導入される決め手になったポイントは何ですか?
O様:
視聴者の選択によってコンテンツが変化する「インタラクティブ性」があるため、動画内でユーザーの行動を計測できる点です。視聴時間だけでなく、どのような選択をしたのかまでデータを通じて分かり、ユーザーの興味や関心の深さを知ることができると考えました。
またMILさんの場合、納品後に部分的な改修ができる点も良いなと思いました。過去に動画を制作したことがあったのですが、細かい点で内容の変更が生じ、以降は使えなくなってしまって残念だったので。
「診断動画」で使用可能かを即判定!「体験動画」でアプリの魅力を訴求!
──現在、ダウンロード促進と認知拡大のフェーズで、インタラクティブ動画を活用いただいております。まずはダウンロード促進のためのインタラクティブ動画施策を教えてください。
O様:
アプリの便利さや楽しさを理解していただくための「体験動画」と、お持ちの製品がアプリ対象かどうかを診断しダウンロードへ導くための「診断動画」の2種類を活用しています。MILさんとディスカッションを重ね、ダウンロードを妨げる主な障壁として「アプリを利用するメリットが伝わっていないこと」と「接続方法が煩雑であること」の2点があると分かり、これらを打破する動画を制作しました。
LPやオウンドメディアの複数ページに設置しているほか、対象機器をお持ちのお客さまへメルマガで配信しています。また、対象となる給湯機器を納品する際に同梱するチラシにQRコードを掲載し、そこからアクセスしていただくなど、より多くの方に視聴いただけるよう工夫しています。
──「体験型」のインタラクティブ動画の内容について教えてください。
O様:
「体験動画」は、対象の給湯機器をお持ちで、かつアプリをダウンロードしていないユーザーに向けて、アプリの魅力を訴求しています。
TOPページで「体験する」を選択すると、アプリの操作イメージ画面へと移ります。「追いだき」「呼びかけ」「ふろ自動」「床暖房」「浴室暖房」「カレンダー」など体験可能な機能にはマークが付いており、タップ・クリックすると実際の音声や操作画面を体験することができます。ダウンロード前であっても体験動画を通じて、魅力的なキャラクターの声などを聞いていただけることで、ノーリツの「わかすアプリ」ならではの楽しさを伝えられればと思っています。
──続いて「診断型」のインタラクティブ動画の内容について教えてください。
O様:
「診断動画」は、ノーリツの給湯機器をお持ちだけれども、自身がアプリの利用対象ユーザーかどうか分からないという方に向けた動画です。
対象者には「ダウンロードページ」や「アプリの詳細ページ」へ遷移するCTAを表示し、対象でない方には「リモコン交換」や「メルマガ登録」など関連ページのCTAをご案内します。
途中で「お使いのリモコンは無線LAN視聴ができ、遠隔操作できるタイプですか?」と確認する問いがあるのですが、すぐに分からない人もいらっしゃることを想定し、「接続できる製品を確認する」を選んだ場合は、ポップアップ表示できるよう工夫しました。
これまで「アプリをインストールしていないユーザー」の数は把握していましたが、インサイトは把握できていませんでした。診断動画の視聴データを見て仮説を立てたり、仮説の検証をしたりと、分析にも活用しています。
Xのキャンペーンでリンククリックが約2倍に!メルマガの登録促進にも成功!
──「診断型」のインタラクティブ動画を使って、X(旧:Twittr)で認知拡大のキャンペーンをされたかと思います。施策内容と結果について教えてください。
O様:
ノーリツの給湯機器の所有に関わらず、より多くの方にアプリを認知いただくことを目的として、Xで期間限定(2週間)のキャンペーンを実施しました。結果として、動画内のリンククリック数は、キャンペーン前の2倍以上となり、XキャンペーンのCPAが安価に運用できた点も良かったと思います。
O様:
また今回、せっかくキャンペーンをやるならXのフォローよりも濃いつながりを作りたく、検証的な意味を込めて「メルマガ登録」の導線を入れてみたところ、想定以上の反応があり、インタラクティブ動画との親和性の良さを発見しました。「つながり続ける」に貢献する、新たな導線を見つけられたことが非常に嬉しいです。その後、他のキャンペーン施策にもメルマガ登録への動線を設置するようになりました。
──インタラクティブ動画の視聴データから発見はありましたか?
O様:
今回のキャンペーンで沢山の方にインタラクティブ動画を視聴いただき、視聴データから「どんな行動をしてアプリダウンロードにつながったか?」という仮説の検証ができました。例えば、「わかすアプリ」に興味を持ったユーザーは、「リモコンの取り換えを詳しく見る」や「アプリダウンロード」などの、即座に行動するための導線(CTA)よりは、「わかすアプリの詳細を見る」などの一段階低い導線(CTA)への遷移が多く見られました。インタラクティブ動画の視聴データ分析から得た示唆は、動画以外のコミュニケーション施策にも活かしています。
Webサイトの場合、サイトに辿りついたという事実は分かりますが、どれくらいの熱量でページに到達したのかは分からないですよね。コンテンツを楽しみにきたのか?「音声着せ替え」という機能に興味を持ってきたのか?など。そうしたサイトの訪問データとは違い、動画だと「動画を再生」や「項目をタップ」という能動的な行為から、ユーザーの興味関心や温度感を分かった上でデータを見られるのが嬉しいです。
豊富なノウハウと視聴データを元にした改善提案で、効果的なPDCAをサポート!
──導入いただいて2年が経ちますが、MILの企画・制作から運用までのサポート体制はいかがでしょうか?
O様:
MILさんはものすごい数の動画を作っていらっしゃるので、動画制作のノウハウや知識が豊富にあって、細部にわたり、ユーザー目線を意識されているのが分かります。修正においても、細かく提案いただけるので嬉しいですね。例えば「ここはこういう色で光らせましょう」「モーダルで出したら、もっとわかりやすい」などのクリエイティブ面や技術面のご提案、些細な言葉のブラッシュアップなど、私たちだけでは気づけないアドバイスをいただけるので助かります。
毎月の定例会では、視聴データを元に改善提案をくださるため、細かくPDCAを回せてとても助かっています。自分自身でMILのレポート画面ですぐに数値を確認できますし、かつ毎月フィードバックもいただけるので、正確に数値を把握して振り返る癖がつき、効果的にPDCAを回せるようになったと思います。
また告知によって動画の再生数も影響するので、動画制作以外に、告知面でも色々とご提案やサポートをいただいています。他社で行っている認知拡大施策や効果的な掲出法なども、広く情報を共有いただけるので、参考にしています。
毎月の定例会のアイスブレイクも、いつも楽しみにしています(笑)。今後とも宜しくお願いします。
──本日はありがとうございました!こちらこそ、今後とも宜しくお願いいたします。
担当者コメント:野澤 拓
MIL株式会社
カスタマーサクセス
動画データの分析と動画改善を担当させていただいております。「ダウンロード促進」と「認知拡大」という目的に対して動画を運用するのはもちろんのこと、既存の動画をブラッシュアップし、キャンペーンなどに活用するサポートをしています。定例会ではいつも真摯に向き合っていただき、私個人としても非常に取り組みやすい環境をご提供いただけているといつも感謝しています。効果を最大化できるよう、MILで蓄積しているノウハウや知見を引き続きご提供し、PDCAを回してまいります。
PS:余談ですが、ノーリツ製品の「お風呂がわきました!」の音声が頭から離れなくなっています!(笑)
担当者コメント:田中 達也
MIL株式会社
フィールドセールス
インタラクティブ動画の企画提案から導入運用の現在まで担当させていただいております。早くも2年以上が経過し、給湯機器・ビルトインコンロ・おふろのずかんなど、様々な分野でチャレンジの機会をいただき、感謝しています!引き続き、Webサイト・メール等の既存の施策でお悩みに感じる点を、インタラクティブ動画により解消できるように尽力してまいります!