「Create the New Solution ー保険に、新しい選択肢をー」というミッションを掲げ、2021年に朝日生命保険のグループ会社として誕生した、なないろ生命保険株式会社様。同社では「若年層へのアプローチ」や「デジタル上での商品説明」に課題を抱えており、新たな施策としてインタラクティブ動画マーケティングMILを導入いただきました。
今回は、なないろ生命保険株式会社 マーケティング企画部 アシスタントマネージャー 徐 英剛 様(写真左)、西村 泰一 様(写真右)にお話を伺いました。
- 課 題
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- サイト訪問者 ひとりに合わせた情報提供がしたい。
- 若年層へのアプローチが難しい。
- 新規保険申込のCVRを改善したい。
- 施策内容
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- サイトに3本のインタラクティブ動画を設置。
- TOPページには「診断型動画」を設置し、3つの設問に回答後「おすすめの保険商品」を表示。保険の特徴を説明した上で各商品ページへとシームレスに遷移。
- 保険商品の特徴を解説する「説明動画」を商品ページに設置し、理解を促進(2種類)。
- 効 果
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- インタラクティブ動画の接触によるCVR改善に成功(動画内で紹介した各保険商品ともに)。
- 社名:なないろ生命保険株式会社
- 事業内容:生命保険事業
- 企業HP:https://www.nanairolife.co.jp/
若年層に向けた「デジタル上での効果的なアプローチ」を模索していた。
──貴社の事業内容について教えてください。
徐様:
なないろ生命は、2021年4月に朝日生命のグループ会社として誕生しました。「似たような選択肢の1つではなく、マーケットに新しい価値・選択肢を提供したい」というミッションを掲げています。
西村様:
当社は朝日生命の「代理店チャネル向けの事業」を行っていた部門が独立して誕生した会社です。元々、リーズナブルな保険料や非対面手続きといったニーズや、複数の保険会社から自分に合う商品を選びたいというマーケットの変化に対応するために立ち上げられた部門であり、2021年に分社化されて、なないろ生命として独立しました。日本で一番新しい保険会社だからこそ、「特徴ある付加価値」を提供することが我々の存在意義であると考えています。
──チームの役割とご自身のミッションについて教えてください。
西村様:
チームのミッションは、保険の加入促進です。テレビCMなどのマス広告、リスティング広告・ディスプレイ広告などのデジタル施策、コールセンターの他、複数のチャネルを活用して加入を促進しています。この中で私はデジタルマーケティング領域を担い、徐はMA(マーケティングオートメーション)を活用した加入促進を担当しています。
──導入以前に抱えていた課題を教えてください。
徐様:
デジタルでの接点を通じて、若年層の方々に保険の必要性や自身に合った商品を理解していただき、加入のアクションを促進するにはどのようにしたら良いのか?と頭を悩ませていました。若年層で、なおかつ一度も保険に加入されたことのない方は、ライフステージが変わるタイミングで「保険が必要」という意識が芽生えたとしても、まだお若いので「明日から入院するかも」「ガンになるかも」などのリスクを日常的に実感しにくく、保障の必要性を感じてはいても、ご自身で保険加入を積極的に進める方は少ないというのが実情です。また、私どもが携わっている領域では、加入しようとする保険がニーズに合っているかどうか?お客様ご自身でご確認いただくことが必要になります。これらを満たす、Webサイト上での効果的なアプローチ方法を思案していました。
──MILを導入する際に、評価いただいた点は何ですか?
徐様:
まず1点目は「若年層の情報収集にマッチしている」ことです。「活字・テキストよりも、まず動画から情報を取得する人が多い」など、若年層は動画を日常的に視聴しているという理解はあったのですが、中でも御社の「インタラクティブ動画」は大変新しく、スマホでの情報収集を主とする「若い世代」が馴染めそうなコンテンツだと感じました。
2点目は、双方向コミュニケーションをとりながら、一人ひとりの関心に合わせた長尺のコンテンツを提供できることです。動画コンテンツの手法の一つとして、インタラクティブ動画であれば、私たちが求める「一人ひとりに合わせた情報提供・理解促進」が達成できるため、保険という商品特性に大変マッチしていると期待を持ちました。
3点目は、他社との差別化になると感じたためです。保険業界でインタラクティブ動画を導入している企業はまだ少なく、ひとつのチャンスであると考えました。
「診断型動画」で一人ひとりの関心に合わせた、おすすめの保険商品をご提案。
──現在、サイト上で3本のインタラクティブ動画を掲載いただいておりますが、まずは「診断型のインタラクティブ動画」について、動画の活用目的と施策内容を教えてください。
徐様:
サイト訪問者に「自身に合った保険を知っていただき、保険選びをサポートすること」を目的として、サイトのTOPページに「あなたにピッタリの保険がわかる!なないろ生命保険診断動画」というタイトルのインタラクティブ動画を埋め込みました。診断結果で表示された保険のポイントを簡単に紹介した後、動画の終了画面に「詳細を見る」というCTAが表示され、商品ページへとシームレスに遷移する流れです。
──診断型動画の成果はいかがですか?
徐様:
動画内で紹介している4つの保険商材ともに、動画接触セッションは動画非接触セッションと比較してCVRが向上しました。埋め込んだ当初は動画の再生率が低かったのですが、MILさんから改善のご提案をいただき「手動再生」から「自動再生」へと変更したところ、特に動画を見た母集団のオーガニック経由でのCVRが伸びるという成果が現れました。
──「診断形式」にした理由を教えていただけますか?
徐様:
世の中の一般の方は、若い方は特に、日常生活の中で「保険」について考える機会はありませんし、どのような種類があるのかもご存知ない方がほとんどです。そうした中で「保険について、少し考えようかな」と弊社のサイトを訪問いただいた方でさえ、いくつか保険商品が並ぶと「どんな違いがあるのか?」「自分に適した商品がどれなのか?」は分かりにくいと思います。そうした場面で、情報収集や選択のサポートになれたらとの想いから、診断型のインタラクティブ動画を設置しました。
西村様:
「何食べたい?」と聞かれたときに、回答に窮することってありますよね。でも「イタリアンか、中華か、和食、どれ食べたい?」と聞かれると、うーんと悩みながらも「中華かな」などと回答しやすくなる。同様に、インタラクティブ動画の中で質問を投げかけ、回答の選択肢をいくつか提示して「この中なら、これかな」と自分自身と向き合いながら選択していただくことで、「自分にはこの商品が合うのだな」と理解できる仕組みになっているかと思います。気が利く彼氏のように、エスコートする役割を果たしていますね。MILさんと議論しながら作り上げた「質問」もとても良いので、成果につながっているのだと感じます。
徐様:
そうですね。「考えること」や「自分で調べること」自体がハードルになって離脱を招いてしまうので、診断動画を触ることで、理解を深めながら自分に合った保険に出会えるというのは、若年層向けの施策として、有効だったのではないかと思っています。
西村様:
「この保険が欲しい」と最初から明確になっている方は、一定数はいらっしゃるのでしょうが、そう多くはないと思います。大多数のお客様は「なんとなく保険が必要そう。でも、保険会社のHPを見てもよく分からない」というような状況なのかと。迷われている方に向けて、質問を投げることで興味を引き出し、「これが必要なんだな」と感じていただける導線を構築できたため、実際の数値・成果にもつながっているのだと思っています。
「商品説明動画」で商品の特長を端的に紹介。動画視聴者は非視聴者と比較して、CVRが1.8倍に!
──続いて「商品説明のインタラクティブ動画」を2本掲載いただいておりますが、動画の活用目的と施策内容を教えてください。
徐様:
若年層に対して保険商品をわかりやすく説明し、加入を促進することを目的として「なないろセブン」の説明動画を作成しました。サイト内の各商品ページとLPに、インタラクティブ動画を埋め込んでいます。インタラクティブ動画であれば一人ひとりのご興味に沿って保険の内容をご説明できるため、離脱を防ぎコンバージョンを促進できるのではないかと期待して設置しました。
──商品説明動画の成果はいかがですか?
徐様:
サイトにインタラクティブ動画を埋め込んで「動画を見たユーザー」と「見ていないユーザー」を比較すると、動画を見たユーザーはCVRが1.8倍前後ほど高いことが数値として確認できました。さらにカスタマーサクセス担当の一條さんへ、流入チャネルベースでのパフォーマンス分析を依頼し、特にリフト幅が高い流入チャネルも特定できました。
▼スマートフォンサイトでの掲載イメージ
西村様:
商品説明動画がCVR向上に寄与すると分かりましたので、商品説明動画の第二弾として「なないろメディカル礎」の動画を制作しました。構成や埋め込み位置などは第一弾の「なないろセブン」での成功パターンを踏襲しています。「なないろメディカル礎」は動画を導入したばかりですので、今後の効果に期待しています。
企画・制作から運用後のレポート・改善まで、きめ細かいサポートに満足。
──動画の企画・制作~公開後に至るまでの、MILのサポート体制はいかがでしたか?
徐様:
事後のレポートまで含め、非常に手厚くサポートいただいたというのが、一番の印象です。制作においては、弊社の商品を深く理解していただいた上で、構成案やコンテンツの調整を進めてくださいました。細かい変更希望や終盤での変更依頼など、要望が多かったと思うのですが、きちんとお付き合いいただいて、最終的に良いものが作れたからこそ、数値としても良い結果が出たのだと思っております。
また運用においては、数値を細かく分析した上で、丁寧にレポートをご説明してくださる点も高く評価しています。時には動画以外の施策も考慮した上でアドバイスもしていただき、かつ弊社のパートナー会社とも連携しながら親身になってご対応いただいている点にも感謝しています。
──嬉しいお言葉をありがとうございます!それでは最後に、今後のMILの活用計画を教えてください。
西村様:
よりお客様にわかりやすい、ニーズに合致するコンテンツを提供し、サイトの使いやすさを向上させたいと考えております。「なないろメディカル礎」の効果が確認できたら、他の商品のインタラクティブ動画も制作して各ページに設置し、全体のコンバージョン率を上げていきたいと考えています。その先は、資料送付後の申込促進などへの活用も検討していきたいですね。コールセンターで担っている役割をインタラクティブ動画でもご提供するなど、お客様の利便性向上にも活用していきたいです。
徐様:
私は、これからMAを駆使してよりアクティブな施策を打っていきたいと考えておりますので、MAでのインタラクティブ動画活用も検討したいですね。ぜひMILさんのお力・知見をお借りしたいです。
──本日はありがとうございました!こちらこそ、今後とも宜しくお願いいたします。
担当者コメント:一條 洋人
MIL株式会社
カスタマーサクセス
動画の企画のディレクションと、動画配信開始以降の効果検証・改善提案を担当しました。特に、なないろ生命保険の徐様・西村様と会議体の皆様に情報格差やサイロ化が生まれぬよう、レポートやダッシュボードの工夫を重ね、MIL動画の効果を視覚的にご理解いただけるように尽力いたしました。具体的には、インタビューの中でも言及をいただきました「トラフィック別のパフォーマンス」はもちろん、ご発注時に課題とされていた「広告のランディングページにおける動画のパフォーマンスデータ」についても、他のページと別途繰り出す形でBIツールで描画を行うなど定量化の上、グラフィカルに描画をして、課題に対するMILの貢献度をご報告いたしました。
今回のお取り組みは、流入データ毎のパフォーマンスを把握の上、動画クリエイティブを素早くMILのクラウドシステム内で改修して、Web上の本番環境に現場の方のご負担をかけずに反映できるという、MILの強みが活かされた事例となりました。また複数の動画案件でMILの価値をご理解・ご実感いただけており、感謝申し上げます。今後より一層の成功実現に向けて、引き続き伴走をさせていただきます。
担当者コメント:天野 斉之
MIL株式会社
カスタマーサクセス
動画運用のフェーズで、レポーティング・報告を担当しております。「動画の視聴を通じてCVRが向上しているのか?」「インタラクティブ動画がCVの獲得に寄与できているのか?」という点にフォーカスをして定量的に報告をまとめ、そこから有効なネクストアクションを提案することを意識して、ご報告させていただいております。今後はMILで蓄積した「動画視聴データ」を広告運用やMA施策といった他のお取り組みにも活用して更に成果を伸ばせるよう、伴走させていただきます!
担当者コメント:田中達也
MIL株式会社
フィールドセールス
企画段階からインタラクティブ動画のご提案を担当させていただきました。特に「なないろセブン」では、想像以上の数値(再生率・CVR)となりましたが、なないろ生命の皆さまが商品について丁寧にご説明くださり、「どのようなユーザーに対して、どういった内容で訴求するか?」など、我々と一緒に考えてくださったからこそ生まれた成果だと感じています。今後も、運用・改善のPDCAをスピーディーに回してパフォーマンスを最大化し、より強固なお付き合いができるよう、MIL「なないろ生命」プロジェクトメンバー一同で努めさせていただきます!
担当者コメント:小熊 隼人
MIL株式会社
クリエイティブ
動画制作のディレクションを担当しました。「ユーザーが知りたいことに対して、最適な情報を届けられる」というインタラクティブ動画の特徴を活かし、診断動画では「どの保険に入れば良いかわからない」と考えているユーザーに対して、商品説明の動画では「保険の特長を理解したい」と考えているユーザーに対して、それぞれのファネルに適した動画を作成しました。インタラクティブ動画の魅力は「繰り返し、動画を改善できる」点にあります。今後も改善を重ね、さらに成果を向上できるよう尽力して参ります。