時代の新しいニーズに合わせて、2021年10月に国内自動車メーカー初となる四輪新車オンラインストア「Honda ON(ホンダオン)」をリリースしたホンダセールスオペレーションジャパン様。同社では、販売チャネルを広げながら「車のサブスクリプション」という新サービスを展開するにあたり、いかにしてWebサイト上で情報をわかりやすく訴求するかという課題を抱えており、その解決策としてインタラクティブ動画マーケティングMILを導入いただきました。
導入背景と施策、今後期待する効果について、株式会社ホンダセールスオペレーションジャパン 営業部 オンライン販売課 井上 喜章様にお話を伺いました。
- 課 題
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- 会員登録数を増やしたい。
- 「Honda ON」のサービス理解を促進したい。
- 見込み顧客の求めている情報を把握したい。
- 会員登録数を増やしたい。
- 施策内容
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- 「Honda ONってなに?」というオープニングの後、「Honda ONを知ろう!」の目次画面に4つの選択肢を表示。
- 気になる項目をタップして進んでもらい、Honda ONの特徴をわかりやすく伝える。
- 自社のSNSアカウント(LINE、Twitter、Instagram)とメールマガジンで配信。
- 効 果
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- 会員登録数増加!
- 視聴データによる顧客インサイトの把握!
- 社名:株式会社ホンダセールスオペレーションジャパン
- 業種:自動車のオンライン販売・サービス業
- HP:https://www.honda.co.jp/HSJ/
オンライン完結のサービスを開始。「わかりやすい説明」が大きな課題に
──ご担当業務について教えてください
オンライン販売課では、オンラインストア「Honda ON」のマーケティング業務全般を担当しています。私自身はプロジェクトリーダーとして「Honda ON」の立ち上げから携わっております。
「Honda ON」は昨秋に立ち上がり、現在は複数の施策を効果検証しながら進めている段階です。部署のKPIとしては「Honda ON」の会員登録数やCV数がありますが、実店舗「Honda Cars」への送客などHonda グループ全体での成果につなげることも役割の一つです。
──オンラインストア「Honda ON」の立ち上げ背景は?
若年層のモノに対する価値観は「所有」から「共有」へと変化しつつあり、特に若者の「車離れ」は自動車業界全体の積年の課題になっています。また2020年からは新型コロナウイルスの影響を受けて「オンラインでの購買行動」が広く一般に普及するなど、ここ数年間で消費者の行動は大きく変化しています。
従来の自動車販売は、ディーラー店舗における「対面商談」が基本であり、店舗に足を運んでいただき、時間をかけて担当者とコミュニケ―ションを図りながら、納得いただいた上で購入に至るという流れが主流でした。
一方、オンラインでの消費活動を主体としている若年層においては「時間に対する価値」が異なっており、よりスピーディーな購買プロセスが求められます。中長期的な視点で考えると「ディーラーを通じた対面商談」のみでは、今の若年層がメインターゲットの年齢に上がってきたときに、ニーズとの乖離が生じることが予想でき、早期から対策が必要であるという結論になりました。
そこで、現在の若年層に「早いタイミングからHondaを身近に感じてもらうこと」を目的として、Honda車のオンラインストア「Honda ON」を立ち上げました。
引用:Honda ON
「Honda ON」は「お客様の期待を超える自動車購買UX」をコンセプトとし、販売店を訪問することなく、いつでも気軽に購入を検討いただける新車オンラインストアです。オンライン上で、商談から見積り・買取車の査定、契約、さらには自動車保険の手続きに至るまで、完結できる仕組みを構築しています。立ち上げにあたり、まずは、メンテナンスや税金がすべて含まれた毎月の定額料金でHondaの新車が利用できる「サブスクリプションサービス」の提供を始めました。
──MILの導入以前に抱えていた課題を教えてください
新しい販売形態として「Honda ON」をリリースしたものの、実店舗で営業スタッフが行っているサービスをオンライン上で完結させるのは想像以上に難しく、店舗サービスとの大きなギャップを感じていました。
店舗であれば、実際の車を見ていただいたり、試乗して車の良さを体感いただいたりしながら、営業スタッフが商品の良し悪しを顧客に伝えることができます。また車の販売だけでなく「所有している車の査定」や「個々に合った自動車保険の説明」など総合的なサービスをご提供し、付加価値を感じていただくことができます。このすべてをオンライン上でご提供するのが非常に難しく、文字や写真・動画といったWeb上の情報のみで、いかに「わかりやすく説明するか」が大きな課題になっていました。若年層の主なデバイスであるスマートフォンの画面において、短文のほうがインパクトはありますが、深い理解にはつながらない。一方で、しっかりと説明をするために長文で掲載をすると、離脱につながり読んでもらえない……。複数の施策を展開しながらも、最適解が見つからない状況が続いていました。
他の動画施策も行ってはいましたが、従来の動画ではこちらから一方的に情報を伝えるだけであり、相手からのフィードバックを得られないため、顧客が本当に理解しているのか、本当に顧客の知りたい情報が伝えられているかが分からない、というジレンマがありました。再生回数などの粗い情報を元にニーズを推測する程度であり、高速のPDCAを回すことができない課題を抱えていました。
見込み顧客の興味関心を知る「マーケティングデータ」としても活用
──MILを導入した決め手は何でしたか?
最適なマーケティング施策を模索している状況の中で、MILのソリューションを知りました。
視聴者がタップ・クリックしたデータを元に「顧客の期待値や興味関心」を把握できる点はインタラクティブ動画ならではだと思い、ユーザーの意向をWebサイトの情報最適化につなげられると魅力を感じました。また視聴者が気になるコンテンツを能動的に選択できる「双方向性」やポップアップ表示などの「理解を促進するための多様な機能」を兼ね備えている点にも惹かれ、MILを活用すれば、Webサイトでのわかりやすい訴求と顧客の深い理解の促進を通じて「Honda ON」の課題を解決できると期待をして、導入を決めました。
──今回の動画の内容について教えてください
今回の動画は「Honda ON」のサービス理解の促進、見込み顧客の求めている情報の把握、の2点を目的として制作しました。初めにMILから構成を提案いただき、ディスカッションを重ねながら設問などの詳細を決めていきました。イラストは、Webサイトに掲載していた既存素材を活用しています。
──動画の構成は?
「Honda ONってなに?」というオープニングの後、「Honda ONを知ろう!」の目次画面には4つの選択肢を表示。気になる項目をタップしていただき、次の画面へと進みます。それぞれの説明パートには「よくある質問」をポップアップとして入れ、タップすると詳細情報が見られる仕組みにしています。
これらのタップデータを参照元別や属性別に集計・分析し、今後、マーケティングデータとして活用していく予定です。
──現状の効果について教えてください
自社のSNSアカウント(LINE、Twitter、Instagram)とメールマガジンでインタラクティブ動画を配信しました。現在は配信後2週間ですが、MIL動画を視聴ユーザーのほうが、非視聴ユーザーよりも会員登録率が高くなる成果が出始めています。今のところオウンドメディアのみの配信で母数も少ないため、今後はSNS広告なども検討しながら、視聴者数の分母を増やしていけたらと思っています。
──今後、MILに期待する効果は?
「Honda ON」自体が立ち上がってまだ半年程度ですので、暗中模索の状態が続いていますが、インタラクティブ動画の活用により、会員登録数増加を目指しています。直近の目標としては、サイトの回遊や問い合わせを促進し、オンライン相談などディープな接触を求める顧客を増やすことです。MILを通じて顧客が必要としている情報を可視化し、より高速なPDCAサイクルを回していきたいと考えています。
──本日はありがとうございました!今度も宜しくお願いいたします。
担当者コメント:田中 達也
MIL株式会社
フィールドセールスチーム
本件では、ターゲットセグメント別に「MIL動画をどのように視聴したか?」を可視化・レポートし、セグメント毎のニーズや意向を特定するなどのサポートを行わせていただいています(これらのデータを他のPRやマーケティング活動などに活用いただく予定です)。また今回はMILの視聴データだけではなく「サイト全体のユーザー動向レポート」もフォローさせていただいており、今後も包括的なご提案ができるよう、努めてまいります。引き続き宜しくお願いいたします。