「お客さまにとって本当に価値あるサービスとは何か」を追求されている新生銀行様。
先進的なIT技術を駆使したDX戦略に基づき、高い顧客満足度とブランド力を誇る個人向けのリテール業務と、幅広い顧客基盤と専門的な商品開発力を強みとした法人向け業務を展開されています。
今回は、リテール営業推進部の中嶋浩未様(写真左)と横上脩平様(写真右)にお話を伺いました。
- 課 題
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- 「インターネットチャネル」でのサービス提供へシフトしたい。
- 金融商品特有の難解な言葉をわかりやすく説明したい。
- 施策内容
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- Webサイトに診断型のインタラクティブ動画を設置し、視聴者の運用志向に近い運用商品を提案。
- 動画内のポップアップをクリック・タップすることで詳細情報が表示。十分に商品を理解した上で、申込などのアクションへとシームレスに遷移。
- Webサイトに診断型のインタラクティブ動画を設置し、視聴者の運用志向に近い運用商品を提案。
- 効 果
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- リモート完結の販売金額・件数・有人チャネルへの相談予約数が増加。
- 支店のない県の顧客からの商品申込など、従来のアプローチとは違う、新しい顧客層に出会えている。
- 動画から得た「顧客のインサイト」を元に、次の動画を展開。
有人チャネルと同様のサービス提供を
──リテール営業推進部のお二人はどのようなミッションをお持ちなのでしょうか?
中嶋様:
私たちは、リテール営業推進部のリモートセールスチームで業務を行っております。「いつでもどこでもお客さまのニーズに合わせた最適な相談・取引方法を提供し、インターネットチャネルで売上を上げること」が当チームのミッションになります。
対面型資産運用相談ビジネスでは、主として1対1のコミュニケーションの中で商品の販売が行われます。我々が扱う金融商品は形がない「分かりづらいもの」であるため、お客さまと行員が直接コミュニケーションを取りながら商品性を正しくお伝えする必要があります。一方で、ご説明する場所や人員が限られます。
これをインターネットチャネルにシフトさせるのが私たちの任務であり、1対N人というオンライン上の顧客を、Webサイトなどのオンラインコンテンツを通して、有人チャネルと同様のサービスをインターネットチャネルでも提供していきたいと考えていました。
インタラクティブ動画が、営業スタッフの役割を担う
──MILのインタラクティブ動画は、どのような背景から導入されたのでしょうか。抱えていた課題などありましたらお聞かせください。
中嶋様:
新型コロナウイルスの影響もあり、店舗へ来店しにくいお客さまへのサービス提供をインターネットチャネルにシフトさせるということが必要な状況でした。
オンラインでのビデオ相談・電話相談はすでに導入していましたが、あくまでも有人チャネルの延長線です。インタラクティブ動画を初めてご提案いただいたときは、インタラクティブ動画をオンラインで商品の説明をする営業スタッフの役割に置き換えることができると感じ、導入を決定しました。
横上様:
お客さまが店舗に直接足を運び、対面で話をした上で商品を理解し購入いただくことに加え、Webサイトで同等の理解を深め、ご自身で考えて購入していただける機会が増えれば、売上をリフトアップさせることができます。インタラクティブ動画を活用することで、場所や人員が限られる有人チャネルを介さず、インターネットチャネルで完結する営業推進を加速できるのではないかと感じました。
私たち新生銀行は、「店舗」でも「インターネット」でも、相談や商品のご購入ができます。Webサイト上で商品に興味を持ち、そのまま購入していただく、あるいはオンライン相談をしていただく。その次は対面相談を行う、などお客さまのライフスタイルに合わせて、オムニチャネルでサービスを提供していきます。
──インタラクティブ動画をどのようにご掲載いただいたのでしょうか。
横上様:
インタラクティブ動画はWebサイト上に設置しています。Webサイトを訪問されたお客さまのタップ(選択)に沿って選択肢が掲示され、お客さまのお考えに近い金融商品を見つけることができる仕組みです。
引用:新生銀行HP
横上様:
動画内には、タップすることで金融商品特有の分かりづらい言葉の補足説明を画面上に表示するポップアップ機能も備わっており、初心者の方でも楽しんで視聴していただける動画になっています。
インターネットチャネルでの売上をリフトアップ
──実際の効果などはいかがでしょうか。
横上様:
運用開始から半年が経ち、Webページ経由からの有人チャネルへの相談予約数、リモート完結の販売金額・件数等、良い数値が確認できています。
中でも特に「金銭信託」の動画から資産運用デビューするお客さまの獲得ができており、MILの動画レポートを見ても想定以上に視聴されていることがわかります。当行の支店のない県にお住まいのお客様からの商品申込等もあり、従来のアプローチとは違う、新しい顧客層に出会えていると感じます。
また、ある商品の動画を視聴していたお客さまが、他の商品の動画へ遷移し、営業スタッフと接点を持たずにそのままオンラインで商品申込に至るというケースも見られており、導入当初に期待していた「インタラクティブ動画の活用によるインターネットチャネルで完結する営業推進」が実現しつつあります。
インタラクティブ動画をきっかけに約定できているのは明らかで、導入から半年経った今、確かな手応えを感じ始めているところです。今後、動画毎にKPIを立て、視聴データを元に改善を進めていきたいと考えています。
顧客のフェーズに合わせた動画運用を期待
──現時点での振り返りから、今後の運用はどのようにお考えでしょうか。MILに対する期待などもお聞かせください。
横上様:
今回の動画は、「初めて資産運用に興味を持った方」をメインターゲットとし、商品の理解を促進することを目的とした動画でしたが、今後は「資産運用経験者の申込みを促進するお役立ち動画」「相談前の認知を広げるためのビデオ・電話相談のご案内動画」など、ターゲットを広げ、様々なバリエーションのインタラクティブ動画を展開していきたいと考えています。
また今後は視聴データに加えて、インタラクティブ動画の中でユーザー調査も実施し、動画の理解度や改善点を分析し、より効果的な動画制作につなげていきたいですね。そのあたりもMILの皆さんにサポートしていただけると嬉しいです。
中嶋様:
インタラクティブ動画のレポートを元に、視聴動態を明確に視覚化できるため、商品別のレベルまで落とし込み、細かい課題を把握した上でスピーディに改善できる点が非常に良いと感じています。
MILの皆さんには定期的にミーティングを実施していただき、視聴レポートの数値を元にクイックに改善施策をご提案・実施いただいており、PDCAの繰り返しによりコンバージョンが良くなっていく実感を得られています。今後も同じペース・粒度で、一緒に各施策に取り組んでいただけたらと思います。